会話オンリー


「それで、どうすんねん」
「この空気?」
「ちゃうわ! いや厳密には違くないけど……せやから、俺がお前のことを好きやとしたらどうするんかってきいてんねん」
「そんなの、付き合う以外にある?」
「別に、無理して付き合う必要ないやろ」
「えっなんで? 付き合わないの?」
「そら、そうなるんなら俺は嬉しいが……俺が勝手に好きなだけやのに、お前に負担かけるのはおかしいやろ」
「えっなんで? それって私の負担になるの?」
「なるやろ! お前、付き合うってなったら、あー……距離とか近なるんやで」
「そうだね」
「ほんまに分かっとるんか? 俺に触れられたら嫌やろ」
「嫌なわけないじゃん」
「……手ぇとか握るんやぞ」
「握ればいいじゃん」
「あと、こう、なんや抱きしめたりとかするんやぞ」
「抱きしめればいいじゃん」
「……キスとか、色々するんやぞ」
「キスとか色々すれば良いじゃん」
「良いわけあるか!! なんやお前さっきから軽すぎやろ、あかんあかん!」
「え、いいじゃん。盧笙したくないの?」
「したいわ、ものごっつしたいわボケ! そうやなくて、俺はお前にちゃんと好きなやつとそういうことを……」
「うん、好きだからいいじゃんって言ってるんだけど」
「は?」
「私は、盧笙のことが、好き。おーけー?」
「……手、握ってええんか」
「だめ」
「いやなんやねんお前!!」
「だって、ねえ盧笙、私まだちゃんと聞いてないよ」
「……好きや。俺は、が、好きや」


(20231105)


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